今回は、御手洗銘柄について書きたいと思います。
御手洗……トイレ!
そう、今回紹介するのは、TOTOではなく…
キヤノンです!
なぜ、御手洗銘柄かと言うと、会長兼社長が「御手洗富士夫」さんだからですね。
読み方は「おてあらい」ではなく、「みたらい」です。
御手洗さんは日本経団連の2代目会長を務めたカリスマ経営者というやつです。
色々、賛否はありますが、キヤノンの繁栄に大いに貢献したことは間違いないでしょう。
前置きはさておき、キヤノンの事業とその将来性について書いていきたいと思います。
キヤノンのイメージは、「プリンター」と「カメラ」という人が多いのではないでしょうか。
まさにその通りですが、それに加えて「メディカル(医療装置)」「インダストリアル(産業装置)」
も大きな事業です。
4つの主力事業を持つ。ということです。
各々の事業の特長や将来性について考えてみましょう。
①プリンティング(プリンター等)
お馴染みのプリンターですね。
売上高 19388 億円
営業利益 2257 億円
営業利益率 11.6%
この売上高の規模で、凄まじい営業利益率です。
ペーパーレス化や在宅勤務普及でプリンターの需要は今後なくなっていく…という意見もありますが、
そんなことはなく、かなりの数は残ります。
もし最悪のケースで10%, 20%減ったとしても営業利益が1800~2000億円程度の利益が出るのはドル箱事業でしかありません。
また、市場占有率が高い事業では新規の投資を大量に必要としません。
市場が横ばい~縮小傾向と予測される分野には新たに強敵が参入してくることも少ないものです。
この事業は今後も安定して高い利益を叩き出し続けると予想されます。
プロダクト・ポートフォリオマネジメントで言うと、市場成長率は低く、市場占有率が高い事業です。
これを「お金のなる木」といいます。
大きな投資(リスク)を取らなくても利益が取れる。
素晴らしいことだと思います。
②イメージング(カメラ等)
売上高 6535 億円
営業利益 787 億円
営業利益率 12.0%スマホのカメラ性能が上がって、わざわざカメラを買う人は減っていく…とこちらも言われています。
もちろん、キヤノンも危機感を持って取り組んでいます。
・差別化戦略として高性能高級品に注力する。
薄利多売ではなく、少量高利益で勝負するということです。
単純なコスト勝負に持ち込まれないメリットがあります。
・車載カメラ、映像管理システム等に展開する。
自動運転などでは、映像をうまく処理する技術がキーテクノロジーの一つです。
車載用部品の市場は非常に大きいです。
カメラ自体の市場は縮小しても、車載用に採用されるようであれば、この事業は拡大の余地があるといえます。
また、映像管理システムですが、工場での品質管理やその他監視が必要なシステム等で活用される可能性が高いです。
導入企業は無人化、省人化できて、コストメリットもあり、これも大きく普及する将来性があります。
単純に普通のカメラが減るから、この事業が縮小する…というのは短絡的です。
むしろ、拡大する可能性すら考慮すべきかと思います。
③メディカル(医療装置等)
売上高 4804 億円
営業利益 294 億円
営業利益率 6.1%医療機器は高い技術を求められる分野です。
簡単にコピーして安価品に置き換えられるというリスクも少なく、
成長性も良い市場です。
また、キヤノンは日本企業にしては珍しく知財が強い会社です。
以下は2021年初期のデータです。
国内の出願数は1位(2005年~少なくとも2020年まで)。
アメリカでの出願数は世界3位(2011~少なくとも2020年まで)。
医療機器のような高い技術が求められる分野では、知財戦略で権利を確保、他社を排除することが非常に重要です。
キーとなる技術を抑えて、他社にライセンス(特許を使用する権利を売る)すれば、
モノを作らなくても利益が入る。
そんなビジネスも並行して展開しうるのかなと感じます。
④インダストリアル・その他(産業装置等)
売上高 5457 億円
営業利益 443 億円
営業利益率 8.1%半導体、液晶・有機ELディスプレイ、LED、ハードディスクの製造装置を手掛ける事業です。
どれも大きな市場規模を持つ分野です。
それに使用される装置となれば、高い売上、利益が見込まれるでしょう。
ただし、製造装置の導入・更新は導入企業の体力がないと機会が減少します。
つまり、この事業は好景気の時は良いが、不景気で企業が設備投資を控える時期は向かい風が吹く可能性があるかなと思います。
主要事業はどれも強力な事業と言えるでしょう。
最大事業の「プリンティング」がペーパーレス化等で将来性がないとか言われてますが、ブラウン管テレビみたいに絶滅するとは考え難いです。
世間が言うほどのお先真っ暗ではないと私は思います。
サブの事業3つも十分に利益が出ていますし、サブの事業単独でも独立してプライム市場1部でやっていけるレベルです。
事業の性質上、若干、景気の波を受けやすくはありますが、
将来的にも高い水準で稼ぎ続ける会社かなと思います。
大体、3000~4000円の間をうろついていた銘柄ですが、コロナショックで3000円を割っています(最近は一瞬超えましたが。)。
従来、高配当銘柄としても人気があった銘柄です。
個人的には今、仕込み時ではないかなとイチオシしたい銘柄です。
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